トラブル時の財産分与や慰謝料までも決定できる婚前契約について紹介します

結婚する前に作成する婚前契約は正しく作ろう

日本でも婚前契約を交わすことは可能で、様々なメリットがあります。書面には具体的に財産分与についてや、トラブルがあったときの慰謝料について記載することが多いですがその他にはどのような項目を入れるべきなのでしょうか。具体的に解説していきます。

婚前契約書とは?

婚姻前の契約書作成でもしもの時も安心できる

婚前契約書とは、結婚前のカップルが婚姻後の「約束」について記載して残すためのものをいいます。

欧米諸国では「プレナップ(prenup)」と呼ばれており、一般的な契約書です。
しかし日本ではまだまだ浸透しておらず、どういった書類なのか作り方が分からないという方も多いでしょう。

日本では馴染みが薄い婚前契約書ですが、実は有名芸能人の深田恭子さんやSILVAさんなどが作成していることがニュースになり話題となりました。

これがきっかけで、婚前契約書について認知が上がったと言っても過言ではないでしょう。

では、具体的にどのような内容を書く契約書なのでしょうか。
詳しく解説していくので、チェックしていきましょう!

家事や育児に関して

現代では共働きをしている夫婦もたくさんいて、家事育児に積極的に協力する男性も増えてきました。
しかし、妻が家事育児のほとんどを担っているという夫婦もまだまだ多いです。

負担がどちらかに偏れば、当然不満が生じてトラブルに発展することになるでしょう。

こうなることを未然に防ぐためにも予め話し合い双方で合意しておけば、トラブルを防止する効果が期待できます。

お互いの親族との付き合いに関して

親族との付き合いに関して、夫婦それぞれ育った環境が異なるため価値観が違うことも当然です。
毎週会いに行ったり、いつでも来られるように合鍵を渡したりしたいという意見もあれば、数年に一度会えば十分と考える人もいます。

親族との関わり方は、夫婦が喧嘩をするきっかけになることが多くあります。

そこでお互いが納得のいくような頻度や回数などについて話し合い、婚前契約書に記載することがおすすめです。

生活費の負担に関して

生活費の負担割合に関しては、一般的に仕事の有無や収入額、家事育児の負担割合、妊娠中などの状況により異なります。

そして認識も男女で異なるため、お互いの認識のズレを話し合いまとめておけば、金銭トラブルを防げます。

お金に関する話はかなりデリケートな問題なので、お互いが納得いくまでしっかりと話し合いましょう。

財産分与に関して

夫婦共有名義の財産がある場合、原則として分与の対象になります。
しかし、どちらかの単独名義の財産だった場合でも、夫婦が協力して作った財産という実質があった場合は財産分与の対象となるのです。

財産分与とは…

夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産を、離婚に伴い分与する制度のこと。

離婚の際には、ここで争いが生じるケースも多いです。
つまり、結婚前に財産分与の対象となるもの・ならないものを明確にしておくことで、争いが起こったとしてもスムーズに解決ができるでしょう。

慰謝料に関して

不倫やDVなどが原因で離婚になるケースを想定して、事前に慰謝料に関して決めておくと抑止力にもなります。

慰謝料の金額は相場を調べて、高額になりすぎないよう設定しましょう。
例えば数千万円などにしてしまうと、公序良俗に反して婚前契約書が無効となってしまう可能性もあるので注意してください。

婚前契約書は法的効力が発揮されないことも

婚前契約書で交わす約束は一般常識の範囲内にする

基本的に婚前契約書は私文書であったとしても、法的効力を発揮します。
しかし、公序良俗に反するような内容になると、無効になってしまうので注意が必要です。

例えば以下のような内容です。

  • 浮気が原因で離婚をしたときの慰謝料は1,000万円とする
  • それぞれの実家には盆正月、家族みんなで帰省をする
  • 不倫はしない
  • どちらかが離婚を申し出たら必ず離婚をする

上記のように人の心を縛るような内容無理難題なことは、一度合意をしたとしていても裁判で離婚などは強制できません。

強制力のない約束事もあるので、注意しましょう。

婚前契約書の法的拘束力を強めたいなら公正証書に残そう

婚前契約書はこれからの結婚生活においての決まり事を決定し、後にトラブルが起こったとしてもスムーズに解決するための材料にもなります。
抑止力にもなるため、幸せな結婚生活が送れる期待ができるのです。

そして、万が一のことが起こったときのために、公正証書に残しておくようおすすめします。
婚前契約書は私文書でも効力を発揮しますが、公正証書にすることで内容をチェックしてもらったり不法な内容だったりする場合は指摘してもらえるので安心です。

まずは婚前契約書を作らないかという提案を、パートナーにしてみるのも良いかもしれませんね!